ジャーナリストで元デイリーテレグラフ(英国)
東京支局長のコリン・ジョイス氏。現代における君主制の意義について、以下のように語っている。
「君主の『政治的中立』は、彼らの影響力の要(かなめ)になっている。
世事のつまらない論争の『上』や『外』にいると見なされているからこそ、
分断された多様な国家の象徴と認められるのだ。君主制のこの強みは、共和国の人々にはほとんど理解されない。
彼らは国王や女王を、過ぎ去った過去の『遺物』、あるいは平等主義への
侮辱と考えるかもしれない。しかし、天皇や皇后が東北の被災地を訪れることと、
ジョージ・W・ブッシュ米大統領(当時)が洪水に見舞われた
ニューオーリンズを訪れることには天と地ほどの差がある
(ましてや銃ロビー団体の言いなりのドナルド・トランプ米大統領が、
銃乱射事件の1つに哀悼の意を表明することとの差は、言うまでもない)。エマニュエル・マクロン仏大統領が、
昨年末からパリで繰り返されている暴動を鎮めようと呼び掛けても
説得できない大きな理由は、人々はマクロン自身の政策に抗議しているからだ。
そのような場合、国家に中立的な君主がいることには、明らかに価値がある」と。
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